試合の命運を握る?? ブレイクダウンとは ~ラックやモールについて~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
今回はラグビーのブレイクダウン(密集)について解説します。
前回は反則について解説しました↓
ラグビーの反則その1 ~軽い反則・重い反則ってなに?? ノックオンやオフサイドについて~
ラグビーの反則その2 ~タックルや密集での様々なペナルティ~
試合の命運を握る?? ブレイクダウンとは
ブレイクダウンとは、平たく言えばボールの争奪戦です。
ボールを持った選手がタックルされて倒されると、ディフェンス側はボールを奪おうと、オフェンス側はボールを守ろうと集まり、ポイント(密集)ができます。
このポイントのことをブレイクダウンと言い、ラックやモールのことを指します。
ラグビーの試合においてブレイクダウンは数え切れないほど起こります。
そして、観戦してても人が集まってなにしてるかわからないことが多いため、華麗なパスや軽快なランと比べて見落とされがちですが、ブレイクダウンこそが試合の勝敗を決すると言っても過言ではないぐらい重要です。
それは、ラグビーがポイントをつくりながら攻撃を展開するスポーツだからです。
もう少し詳しく説明しますね。
ラグビーでは、一回の攻撃でトライをとれることはまずありません。最初は相手のディフェンスも揃っているからです。
相手のタックルをかわしながら、相手のディフェンスを崩しながら攻撃を展開し、少しずつ前へと進んでいきます。
このときにブレイクダウンが弱かったらどうでしょうか??
すぐボールを奪われてしまいますよね。ディフェンスなら逆にいつまで経ってもボールを奪えませんね。
このことはわかりやすいと思います。
もうひとつ、ブレイクダウンで大事なことがあります。
それは、少ない人数で素早くボールを出すことです。
ブレイクダウンにディフェンスが3人に対して、オフェンスが2人で素早くボールを出せたらどうでしょうか。
少ない人数でボールを出せたことにより人数的にも有利ですし、素早く出したことで相手のディフェンスが整う前に攻撃を仕掛けられます。
これを繰り返していくと、やがて大きなスペースが空き、そこにボールを送ることでディフェンスラインを突破できます。
このような流れがラグビーの基本的な戦略になります。
逆にディフェンスは、相手にボールを出させるのを遅らせるために絡みにいきます。
ほんの一瞬遅らせるだけでもディフェンスラインを整えられるので、相手の攻撃するスペースを潰すことができます。
ディフェンス側も少ない人数でボールが出るのを遅らせられれば御の字ですし、チャンスがあれば人数をかけてでもボールを奪いにいきます。
そのため、ブレイクダウンは試合中なんども発生し、そのひとつひとつは僅かな時間ですが、勝敗を左右するほど大事な局面なのです。
そんなことも考えながら試合を観戦すると、また違った面白さが見つかるかもしれませんね。
ガチンコのぶつかり合い! ラック
ラックとは地面に置かれたボールを奪い合うことで、ブレイクダウンと言われたら大体がラックのことと思っていただければ問題ありません。
というのも、ブレイクダウンで説明した「少ない人数で素早くボールを出すこと」というのは、ラックでのプレーを指すからです。
このラックですが、試合中にたくさんつくられることや両チームがぶつかりボールを奪い合う局面のため、非常にたくさんの反則が起こります。
それが、「今なにが起きたの??」「なんで相手ボールになったの??」「なんかよくわかんない」と敬遠されてしまう要因にもなっていると思います。
ブレイクダウンの反則についてはこちら↓
ラグビーの反則その2 ~タックルや密集での様々なペナルティ~
ラック中での反則はたくさんありますが、禁止されていることは、たったの3つです(もちろん殴る蹴るは禁止ですよ 笑)
1.手を使ってはいけない
2.ボールを出すのを邪魔してはいけない
3.ラックの外にいる選手が横からラックに参加してはいけない
ひとつずつ見ていきましょう。
1.手を使ってはいけない
これはハンドの反則となります。
多いのはボールに絡みにいったけど、既にラックが成立しててハンドをとられることです。
レフリーも「ハンズオフ!」と言っているのですが、絡みにいっている選手も必死なのでなかなか聞こえないんですよね。
もうひとつは、相手にボールをとられそうになって、とっさに手を使ってしまう行為。
これもハンドの反則となります。
2.ボールを出すのを邪魔してはいけない
ラグビーはボールを常に動かし続けることを良しとするスポーツなので、ラックからボールを出すのを邪魔してはいけません。
よくあるのが、タックルした選手が相手を離さないホールディング、その場から退かないノットロールアウェイ、ラック中にボールの上に倒れ込むオーバーザトップの3種類です。
オフェンス側では、ボールを離さなかったノットリリースザボールがあります。
3.ラックの外にいる選手が横からラックに参加してはいけない
これはオフサイドの反則となります。
ラックが成立したときのオフサイドラインは最後尾の味方選手のうしろ足となるので、横から入るのはオフサイドです。
以上がラックでの反則となります。
ラック中にペナルティの笛が鳴ったら、手を使ったか、ボール出しを邪魔したか、横から入ったかのどれかだと思ってください。
また、ペナルティではありませんが、ボールが出せる状況の場合、レフリーから「ユーズイット」と声がかかります。
早くボールを使いなさいという指示で、5秒以内にボールを出さないと相手ボールのスクラムになります。
これぞラグビー! モール
モールとはボールを持った選手と両チームの選手1人以上(最低3人必要)が組み合ったときに成立し、ボールを持ったまま相手陣に押し込んでいきます。
組み合っている選手の両脇に楔のように味方の選手が入り、そのうしろにまた別の選手が入っていく、というようにモールをどんどん形成していきます。
このときボールは、モールの最後尾の選手まで回していき、相手から遠い位置でキープします。
こうすることで相手に絡まれる心配もなく、スクラムハーフがボールを出すときにプレッシャーをうけることも少なくなります。
モールにも良いモールと悪いモールがあり、良いモールは縦に長く、悪いモールは横に広がっています。
これはなぜかというと、縦に長いとみんなで押す力が一方向に集中するので、力強いモールが組めます。
また、先程も言いましたが、ボールを相手から遠い位置でキープできるので奪われる心配もありません。
逆に横に広がっていると力が分散してしまい、且つ相手が入ってくるスペースがあるため、簡単に割られてしまいます。
よく見かけるのは、相手陣深く攻めこんだラインアウトでの場面。
ボールをキャッチし、そのままモールを組んで押し込んで相手ゴールラインに雪崩れ込みトライ!
相手も必死に止めてくるので一筋縄ではいきませんが、ゴール前で良いモールを組んで押し込んでいく姿は、これぞラグビー!と思うのではないでしょうか。
更にそのままトライをとれたときには興奮最高潮です!
この押し込んでトライを狙いにいくモール(戦略的に押し込むモールも)をドライビングモールと言ったりします。
そのまんまですね。笑
でもなんかカッコよくないですか??笑
でもモールで押せないと「ユーズ」がかかって、それでも押せないと「ユーズイット」がかかります。
「ユーズイット」がかかったら5秒以内にボールを出さなければならず、もうモールを押してはいけません。
モールは一度止まってももう一度だけ押すチャンスがあるんですね。
また止められないからって崩すのは、それが故意でもたまたまでもコラプシングという反則です。
組み合って動いているモールを崩す行為は怪我のもとになるので絶対にやめましょう。
以上、ラグビーのブレイクダウンについて解説しました。
次回は、奥が深い華麗なパスについて解説したいと思います。