ラグビーのセットプレー ~スクラムやラインアウトとは~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
この記事では、ラグビーのセットプレーについて解説していきます。
前回の記事はこちら↓
セットプレーとは
セットプレーとは、止まったところから始めるプレーのことで、スクラムやラインアウト、キックオフのことを言います。
スクラムやラインアウトというセットプレーが安定していると、次の攻撃にスムースに移行できるため、一見地味ですが非常に大事な部分となります。
それではひとつずつ見ていきましょう。
スクラム
スクラムとは、フォワードが8vs8で組み合いボールを奪い合う試合の再開方法です。
ラグビーの試合の中で最も多く見られるセットプレーで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
スクラムで試合を再開することとなる主な要因としては、ノックオンやスローフォワードといった軽い反則を犯した、密集でボールが出ない場合、などが挙げられます。
反則については別途解説いたします。
なぜ、密集からボールが出ないとスクラムから再開となるのでしょうか。
それは、ラグビーは基本ボールを動かすスポーツで同じ場所にボールを止めておくことは許されません。しかし、密集など人が重なっている中にボールが入ってしまい動かすことができないとレフリーが判断した場合にスクラムから再開することとなります。
どちらのボールで再開になるのかは、
・ボールを持ち込んだのはどちらか
・密集で優勢なのはどちらか
でレフリーが判断します。
ほとんどはボールを持ち込んだ方が優勢(ボールを確保している)なので、ボールを持っていたチームのボールで再開されます(ボールボール言っていますがご容赦ください…笑)。
さて、それではスクラムの組み方を解説いたします。
スクラムはフロントロー同士が組み合います。両脇にプロップ、真ん中にフッカーですね。
ポジションの詳細についてはこちらの記事を参照ください↓
プロップとフッカーの間からロックが顔を出します。
ロックは、4番が1番と2番、5番が3番と2番のお尻を後ろから押していきます。
現役時代は、たま~に「そっち系なの??」と聞かれたりしましたが、そんなことはありませんっ!!怒
こっちは真剣にやっているんですっ!何を言っているんですか!…と。
今は笑って許せますが、現役の時はリアルにツラかったです…笑
さて、続きまして、ロックの両脇にフランカーがつきます。
フランカーもスクラムを押しますが、ボールが出た瞬間にボールを追いかけて、マイボールなら味方のサポートを、相手ボールならタックルをぶちかますので、プロップやロックほど押すのに全精力を振り切ってはいないです。
最後尾にNo.8がつきます。
No.8もフランカー同様に押しはしますが、フッカーから送られてくるボールをキープしたり、自らサイドを攻めたりしますので、ボールがスクラムに投入されてからはほとんど押さず次の行動に移っています。
スクラムは3段階のコールがあります。
クラウチ・バインド・セットです。
クラウチで身をかがめ、バインドで相手プロップの外側を掴み、セットのコールでフロントロー同士が組み合います。
このとき、3番の頭は相手の1番と2番の間に入ります。
昔は、クラウチ・タッチ・ホールド・エンゲージの4段階で、エンゲージの瞬間に思いっきりぶちかましにいっていたのですが、安全面から今のような3段階のコールで、勢いもつけられない方式となりました。
更に昔では、組み合った瞬間に衝撃であばらが折れたなんてこともありました。
とんでもないですね(^^; そりゃ安全サイドに寄っていきますよ。
セットのコールで組み合ったら、スクラムハーフがスクラム中央にボールを投入します(このとき、斜めや味方に近い方から入れると反則となります)。
ボールが投入されたらフッカーが足でボールをかき、後方へ送ります。
このとき相手側フッカーも足を出してボールを奪うことができますし、スクラムを押し込むことでボールを奪取することもできます。
マイボールのスクラムだからといって必ずボールを確保できるとは限らず、スクラムで劣勢だとボールを奪われディフェンスばかりという苦しい戦いを強いられてしまいます。
ラインアウト
ラインアウトは、ボールがタッチラインの外に出た場合に、外からボールを投げ入れる再開の方法です。
イメージとしては、サッカーのスローインですかね。
ただ、スローインはどこに投げてもいいですが、ラインアウトは出たところからタッチラインに直角に投げ入れないといけません。
また、タッチラインから5mのところに引かれている5mラインを越えて投げ入れないといけません。
さて、それではラインアウトのやり方を見ていきましょう。
まずボールを投げ入れるスローワー(主にフッカーが担当)がタッチライン上にいます。ここでディフェンス側は、タッチラインと5mラインの間に1人選手を配置します。
そして、5mラインから15mラインの間に選手を配置します。これはオフェンス側が相手チームに人数を申告し、ディフェンス側は人数を合わせないといけません。
だいたい1チーム4名~7名が並ぶイメージです。
そのラインから5m下がった位置にレシーバーを置きます。チームでどのようなサインプレーをするかにもよりますが、この位置にスクラムハーフを置く場合が多いです。
オフェンス側は、あらかじめチーム内で決めたサインプレーに従い、スローワーがボールを投げ入れ、リフター(ジャンパーを持ち上げる人、主にプロップが担当)がジャンパー(リフターに持ち上げられジャンプし、ボールを確保する人、主にロックが担当)を持ち上げてジャンパーが投げ入れられたボールをとります。
このとき、ディフェンス側もボールを奪取するべくジャンパーがプレッシャーをかけてきますので、空中でボールのとり合いとなります。
そのため、相手にどこに投げるか読まれないことや、せり合いになった場合に当たり負けない体幹が重要となってきます。
しかし、ボールに働きかけるのはOKですが、相手選手を引っ張ったり、落とそうとしたりと危険なプレーは反則となります。
ラインアウトが空中戦と呼ばれるのは、ジャンパー同士が激しくボールを奪い合うためです。
キックオフ
キックオフは、試合開始のときと得点が入り試合を再開するときにセンターラインからドロップキック(ボールをワンバウンドさせてから蹴る方法)で行ないます。
蹴ったボールは、相手10mラインを越えないとセンターライン中央から相手ボールのスクラムとなります。
そのため、戦略としては、相手陣の奥に蹴り込んで陣地をかせぐか、10mラインを少し越えたあたりに高く蹴り、ボールをとりに行くかのどちらかとなります。
空中のボールに強く背の高い選手がいれば、ボールをとりに行く、とれなくても相手にプレッシャーをかけミスを誘うといった戦略が有効になってきます。
キックオフは、点をとられた後のリスタートですから、なんとかしてマイボールにするか、陣地をかせぐかの大事なセットプレーです。
逆にここでミスをしてしまうと流れが一気に相手にいってしまう危険性もあります。
以上、セットプレーの解説となります。
どれも地味ぃ~なプレイですが、試合の流れを左右するほどの大事なプレーであり、セットプレーが安定しているチームは強いです。
そのあたりも頭の片隅にでも入れて観戦していただければまた違った楽しさがあるかと思います。
先日、ラグビーワールドカップの日本代表が選出されましたので、次回はそちらについて記事を書きたいと思います。