試合を彩る華麗なパス ~基本から変化球まで~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
本日は試合の中でも目を引くパスについて解説します。
一言でパスといってもいくつも種類があり、シチュエーションによって使い分けております。
そんなパスの魅力について伝えられればなぁと思います。
前回の記事はこちら↓
試合の命運を握る?? ブレイクダウンとは ~ラックやモールについて~
- 一瞬の判断力が成否を分ける! それがパス
- 基本中の基本! ストレートパス
- 遠くの味方へ届け! スクリューパス
- タックルされてもボールは繋げる! オフロードパス
- ファンタジスタ! バックフリックパス
- パスは手だけじゃない! キックパス
- パスを横どり! インターセプト
一瞬の判断力が成否を分ける! それがパス
言い過ぎだって思いますよね。笑
でもパスってぶつかるのが避けられないラグビーにおいては非常に重要で、相手のいないスペースに、いかに速くボールを動かせるかが鍵となってきます。
相手の意表をつくパスだったり、思いっきりディフェンスラインを押し上げてきた相手の頭上を越えていくロングパスだったり、どこにパスをだすか、もちろんランやキックも含めどんな選択をするか、常に相手との読み合いとなります。
私もスタジアムで観戦しているときに、一気に詰めてきたディフェンスの頭上を越える超ぉぉ~~ロングパスを見たことがありますが、「うおぉっ...!!」と感動したものです。
あとでYouTubeでそのシーンをなんども見返すくらいです。笑
そして、一番忘れてはいけないのは、ボールを前に投げてはいけないということです。
これはバックスで攻撃を仕掛ける際に否が応でもポイントよりもうしろにオフェンスラインをひくことを余儀なくされることを表します。
ここでやみくもにパスをしてもゲインラインを突破できず、どんどんどんどん自陣に下がっていってしまいます。
ゲインラインとは、スクラムやラックの中央を通ってゴールラインと平行に伸びたラインのことで、ここを越えて初めてボールを前進させ、陣地を獲得(ゲイン)したことになります。
そのため、効果的にパスを使っていくことが必要となってきます。
もちろんパス以外にもキックやランだったり、フォワードでごり押ししたりといった攻撃を、その場の状況に合わせて選択していくことが肝となりますね。
そんなパスの種類を紹介していきます。
基本中の基本! ストレートパス
まずは、基本のストレートパスです。
このパスは回転をかけずに味方の選手の胸元にスポッとおさまるように投げます。
主に味方同士が近く、パスを受けとったすぐあとに相手と当たるときや、2vs1の状況でのラストパスで使われることが多いです。
そのため、味方がとりやすいパス、次の動作にスムースに移れるパスを心がける必要があります。
とりにくいパスだと、わたわたしている間にがっつりタックルをくらってしまいますものね。痛いんですよ、あれ...笑
遠くの味方へ届け! スクリューパス
次はスクリューパスです。
このパスは縦方向に回転をかけて、遠くにいる味方へパスする際に使います。
主に手前の味方を飛ばして遠くの味方にボールを渡したいときや、大外のスペースが空いて素早くボールを運びたいときに効果的です。
綺麗な弧を描いて一気に大外まで飛ばされるパスは、見てて気持ちいいものですよ!
いい動画があれば載せたいと思います。
またスクラムハーフからバックスにボールを供給するときのパスもスクリューパスですね。
タックルされてもボールは繋げる! オフロードパス
これはタックルされている状況でするパスです。そのまんまです。笑
基本、タックルされたらその場でポイントをつくるのですが、それでは遅い!もっと速くボールを動かしたい!というときに使います。
タックルされても上半身がフリー(相手がボールに絡んできていない)のとき、味方に直接渡すか放り投げるかします。
直接渡した方が成功率は高いですが、相手もいるのですぐ止められる可能性も高いです。
そのため、リスクはありますが少し離れた位置にいる味方に放ってあげる方が、より前進することができるし、会場も盛り上がります!
主に立った状態となりますが、倒された状態でもワンプレーならしてOKなので、走り込んでくる味方にフワッとパスしたりします。
直接渡すパスをガットパス、フワッと投げるパスをポップパスと呼んだりします。
ファンタジスタ! バックフリックパス
相手から見えないように背面から投げるパスです。
ほとんどノールック(見ない)で投げるため、少し乱れたパスになることが多い印象です。
印象、というのは、私はこのパスをほとんどやったことがありません。
というか試合でほとんど成功させたことがありませんっ!笑
いつも、たま~にやりたくなって失敗して監督に怒られる...までのワンセットです。笑
てか、成功しても怒られる…笑
トップレベルの選手は平然とやってのけるのですが、毎回ボールを見失います。笑
外から見てて見失うんですから、フィールドで相対している選手はもっと大変ですよね...
パスは手だけじゃない! キックパス
ボールをキックして味方の選手へ渡すパスです。
楕円球を蹴るため、手でするパスと違って難易度が段違いにアップします。
メリットは、大外にいる味方まで一発でボールを回せることと、前にパスしてOKなため、成功すれば大きく前進できることです。
デメリットは、パスが通らなかったり、ボールがタッチラインを越えてしまったりして相手にボールを渡してしまうことです。
あ、一番大きなメリットは、成功すると会場が沸くことですね!笑
いやほんとに!笑 それでトライがとれた日には大喝采ですよ!!
パスを横どり! インターセプト
インターセプトとは相手が投げたパスを途中で奪いとるプレーです。
場面としては、ギリギリのところを通そうとしたパスや素早く外に回そうとロングパスを放ったときなどに発生します。
特にこちらが速いリズムで攻めているときのロングパスは結構注意が必要です。
うまくいけばトライに繋がるパスが、逆に相手にボールをとられてしまって、大ピンチに!なんてこともありえます。
インターセプトされたら一発で流れが変わってしまうので、怖いですねぇ。
ちょうど今日、日本vs南アフリカの試合があったのですが、後半30分くらいのときの日本が攻めている場面で、ロングパスをインターセプトされてそのまま独走→トライ、と一気に流れを持っていかれてしまうということがありました。
インターセプトされてそのままトライまで持っていかれるというのは、こちらが全員で攻めていてうしろに残っている選手がいない状況だからなんですよね。
ただ逆にインターセプトが失敗したら、それはそれでディフェンス側の大ピンチに繋がります。止められてた相手を止めずにボールをとりにいっているので、当然っちゃ当然ですよね。
インターセプトは諸刃の剣かもしれませんね。
以上、華麗なパスについて解説いたしました。
次回は、うまく使いこなせれば陣地を大きくとれるキックについて解説します。
試合の命運を握る?? ブレイクダウンとは ~ラックやモールについて~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
今回はラグビーのブレイクダウン(密集)について解説します。
前回は反則について解説しました↓
ラグビーの反則その1 ~軽い反則・重い反則ってなに?? ノックオンやオフサイドについて~
ラグビーの反則その2 ~タックルや密集での様々なペナルティ~
試合の命運を握る?? ブレイクダウンとは
ブレイクダウンとは、平たく言えばボールの争奪戦です。
ボールを持った選手がタックルされて倒されると、ディフェンス側はボールを奪おうと、オフェンス側はボールを守ろうと集まり、ポイント(密集)ができます。
このポイントのことをブレイクダウンと言い、ラックやモールのことを指します。
ラグビーの試合においてブレイクダウンは数え切れないほど起こります。
そして、観戦してても人が集まってなにしてるかわからないことが多いため、華麗なパスや軽快なランと比べて見落とされがちですが、ブレイクダウンこそが試合の勝敗を決すると言っても過言ではないぐらい重要です。
それは、ラグビーがポイントをつくりながら攻撃を展開するスポーツだからです。
もう少し詳しく説明しますね。
ラグビーでは、一回の攻撃でトライをとれることはまずありません。最初は相手のディフェンスも揃っているからです。
相手のタックルをかわしながら、相手のディフェンスを崩しながら攻撃を展開し、少しずつ前へと進んでいきます。
このときにブレイクダウンが弱かったらどうでしょうか??
すぐボールを奪われてしまいますよね。ディフェンスなら逆にいつまで経ってもボールを奪えませんね。
このことはわかりやすいと思います。
もうひとつ、ブレイクダウンで大事なことがあります。
それは、少ない人数で素早くボールを出すことです。
ブレイクダウンにディフェンスが3人に対して、オフェンスが2人で素早くボールを出せたらどうでしょうか。
少ない人数でボールを出せたことにより人数的にも有利ですし、素早く出したことで相手のディフェンスが整う前に攻撃を仕掛けられます。
これを繰り返していくと、やがて大きなスペースが空き、そこにボールを送ることでディフェンスラインを突破できます。
このような流れがラグビーの基本的な戦略になります。
逆にディフェンスは、相手にボールを出させるのを遅らせるために絡みにいきます。
ほんの一瞬遅らせるだけでもディフェンスラインを整えられるので、相手の攻撃するスペースを潰すことができます。
ディフェンス側も少ない人数でボールが出るのを遅らせられれば御の字ですし、チャンスがあれば人数をかけてでもボールを奪いにいきます。
そのため、ブレイクダウンは試合中なんども発生し、そのひとつひとつは僅かな時間ですが、勝敗を左右するほど大事な局面なのです。
そんなことも考えながら試合を観戦すると、また違った面白さが見つかるかもしれませんね。
ガチンコのぶつかり合い! ラック
ラックとは地面に置かれたボールを奪い合うことで、ブレイクダウンと言われたら大体がラックのことと思っていただければ問題ありません。
というのも、ブレイクダウンで説明した「少ない人数で素早くボールを出すこと」というのは、ラックでのプレーを指すからです。
このラックですが、試合中にたくさんつくられることや両チームがぶつかりボールを奪い合う局面のため、非常にたくさんの反則が起こります。
それが、「今なにが起きたの??」「なんで相手ボールになったの??」「なんかよくわかんない」と敬遠されてしまう要因にもなっていると思います。
ブレイクダウンの反則についてはこちら↓
ラグビーの反則その2 ~タックルや密集での様々なペナルティ~
ラック中での反則はたくさんありますが、禁止されていることは、たったの3つです(もちろん殴る蹴るは禁止ですよ 笑)
1.手を使ってはいけない
2.ボールを出すのを邪魔してはいけない
3.ラックの外にいる選手が横からラックに参加してはいけない
ひとつずつ見ていきましょう。
1.手を使ってはいけない
これはハンドの反則となります。
多いのはボールに絡みにいったけど、既にラックが成立しててハンドをとられることです。
レフリーも「ハンズオフ!」と言っているのですが、絡みにいっている選手も必死なのでなかなか聞こえないんですよね。
もうひとつは、相手にボールをとられそうになって、とっさに手を使ってしまう行為。
これもハンドの反則となります。
2.ボールを出すのを邪魔してはいけない
ラグビーはボールを常に動かし続けることを良しとするスポーツなので、ラックからボールを出すのを邪魔してはいけません。
よくあるのが、タックルした選手が相手を離さないホールディング、その場から退かないノットロールアウェイ、ラック中にボールの上に倒れ込むオーバーザトップの3種類です。
オフェンス側では、ボールを離さなかったノットリリースザボールがあります。
3.ラックの外にいる選手が横からラックに参加してはいけない
これはオフサイドの反則となります。
ラックが成立したときのオフサイドラインは最後尾の味方選手のうしろ足となるので、横から入るのはオフサイドです。
以上がラックでの反則となります。
ラック中にペナルティの笛が鳴ったら、手を使ったか、ボール出しを邪魔したか、横から入ったかのどれかだと思ってください。
また、ペナルティではありませんが、ボールが出せる状況の場合、レフリーから「ユーズイット」と声がかかります。
早くボールを使いなさいという指示で、5秒以内にボールを出さないと相手ボールのスクラムになります。
これぞラグビー! モール
モールとはボールを持った選手と両チームの選手1人以上(最低3人必要)が組み合ったときに成立し、ボールを持ったまま相手陣に押し込んでいきます。
組み合っている選手の両脇に楔のように味方の選手が入り、そのうしろにまた別の選手が入っていく、というようにモールをどんどん形成していきます。
このときボールは、モールの最後尾の選手まで回していき、相手から遠い位置でキープします。
こうすることで相手に絡まれる心配もなく、スクラムハーフがボールを出すときにプレッシャーをうけることも少なくなります。
モールにも良いモールと悪いモールがあり、良いモールは縦に長く、悪いモールは横に広がっています。
これはなぜかというと、縦に長いとみんなで押す力が一方向に集中するので、力強いモールが組めます。
また、先程も言いましたが、ボールを相手から遠い位置でキープできるので奪われる心配もありません。
逆に横に広がっていると力が分散してしまい、且つ相手が入ってくるスペースがあるため、簡単に割られてしまいます。
よく見かけるのは、相手陣深く攻めこんだラインアウトでの場面。
ボールをキャッチし、そのままモールを組んで押し込んで相手ゴールラインに雪崩れ込みトライ!
相手も必死に止めてくるので一筋縄ではいきませんが、ゴール前で良いモールを組んで押し込んでいく姿は、これぞラグビー!と思うのではないでしょうか。
更にそのままトライをとれたときには興奮最高潮です!
この押し込んでトライを狙いにいくモール(戦略的に押し込むモールも)をドライビングモールと言ったりします。
そのまんまですね。笑
でもなんかカッコよくないですか??笑
でもモールで押せないと「ユーズ」がかかって、それでも押せないと「ユーズイット」がかかります。
「ユーズイット」がかかったら5秒以内にボールを出さなければならず、もうモールを押してはいけません。
モールは一度止まってももう一度だけ押すチャンスがあるんですね。
また止められないからって崩すのは、それが故意でもたまたまでもコラプシングという反則です。
組み合って動いているモールを崩す行為は怪我のもとになるので絶対にやめましょう。
以上、ラグビーのブレイクダウンについて解説しました。
次回は、奥が深い華麗なパスについて解説したいと思います。
ラグビーの反則その2 ~タックルや密集での様々なペナルティ~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
この記事では、前回に引き続きラグビーの反則について解説します。
ラグビーの反則その1はこちら↓
ラグビーの反則その1 ~軽い反則・重い反則ってなに?? ノックオンやオフサイドについて~
前回は軽い反則と重い反則の中のオフサイドについて解説しました。
今回は残りの重い反則について解説いたします。
重い反則
重い反則について少し復習です。
重い反則を犯した際の再開は、全てペナルティキックとなります。
ペナルティキックでは、反則を犯した側は10m下がらなければいけません。
ペナルティキックを得た側は以下4つの選択肢の中から次のプレーを選ぶことができます。
1.ペナルティゴールを狙う
3.その場でマイボールスクラムから再開
4.その場でタップキック(ボールをちょん蹴りする。このときボールを手から一瞬でも離さなくちゃいけない)して再開
それでは、重い反則についてひとつずつ見ていきましょう。
タックルでの反則
ラグビーで一番多いコンタクトプレーはなんでしょうか??
そう、タックルです。
そのため、タックルひとつとってもたくさんの反則があり、そのほとんどがシンビンものの危険なものばかりです。
ハイタックル
肩から上へのタックルです。
肩から上、つまり首や顔へのタックルは危険なので禁止されています。
ジャージの襟を掴んで倒すのもハイタックルとなります。
スピアタックル
相手を持ち上げて頭から落とすタックルです。
なかなか倒れないからって両足を持って倒そうものなら反則をとられてしまいます。
頭から落とすのは首を痛めたりする可能性があり大変危険なので、わざとじゃなくてもダメなものはダメなんです!
スコップ
ジャンプして空中にあるボールをキャッチしようとしている相手にタックルすることです。
正式名はちょっとわかりません。笑
まわりはみんなスコップと呼んでいたのでスコップと紹介させていただきますね。笑
可愛らしい名前ですが、これも大変危険なタックルです。
下手したら足首を捻ったり頭から落ちたりします。
私も現役時代にやられたことがありますが、なにがなにやらわけがわからないうちに背中から地面に落ちました。
幸い怪我も痛みもなかったのでよかったのですが...
ノーバインドタックル・ハッキング
タックルするときは相手をしっかり掴まなければいけません。それをせず(ノーバインド)にタックルすると反則となります。
同じようにハッキング(足をかける)も相手を掴んでいないので反則です。
というか、そもそもタックルですらない。笑
ノーボールタックル・レイトタックル
ボールを持っていない選手(ノーボール)やパスを出した、キックした選手(レイト)にタックルすることも反則になります。
タックルされると思ってない相手にタックルするのは非常に危険ですよね。
特にレイトタックルは無防備な状態でタックルをくらうので、大変危険です。
タックルの反則はどれも危険なものばかりでしたね!
ラグビーは紳士のスポーツなので、しっかり正面から正々堂々とタックルをお見舞いして差し上げましょう!
密集での反則
次に密集での反則です。
密集のことをブレイクダウンやポイントと言ったりします。
またボールが地面にある状態で奪い合うことをラック
選手がボールを持っている状態で押し合うことをモールと呼びます。
ブレイクダウンについてはこちらの記事を参照ください↓
試合の命運を握る?? ブレイクダウンとは ~ラックやモールについて~
ブレイクダウンでは、両チームの駆け引きやボールの奪い合いが行なわれるため、それに倣って反則の種類も多くあります。
ノットリリースザボール
これはタックルされ、倒れたのにボールを離さなかったという反則です。
「倒れたのに離さなかった??離せばいいじゃん!」
と思われるでしょう。
この反則をとられるときというのは、離せないことが多いんです。
それは、相手がボールを奪おうと絡んできてるから。
離したらボールをとられてしまうので、離せないんです。
このボールに絡むプレーをジャッカルといい、一人でタックルして起きあがってジャッカルする場合と、タックルした選手とは別の選手がジャッカルする場合とがあります。
いずれにせよ、相手のボールを奪うナイスプレーです。
見かけたら「ナイスジャッカル!!」と褒め称えましょう!
ハンド
これはラックの中で手を使ったという反則です。
「ん??ジャッカルは??」と思われるでしょう。
ジャッカルはラックが成立する前にボールに絡まなければならず、成立してからは手を使ってはダメなのです。
相手もバカではないので、タックルされた選手を放っておくわけがありません。すぐにサポートに来てラックが形成されます。
そのため、ジャッカルとは本当に一瞬のスキをついた神業的なプレーなのです。
ちなみにレフリーから「ハンズオフ!」と言われたら既にラックが成立しているので、ボールを離さないといけません。
ホールディング
これはタックルした選手が相手をいつまでも離さなかったときにとられる反則です。
倒れた選手はすぐにボールを離さなくてはいけないのに、いつまでもタックルした選手が掴んでたら離せませんよね。
タックルした選手はすぐに離してプレーを止めないようにしなければいけません。
ノットロールアウェイ
こちらもホールディングと似た反則で、タックルした選手がその場に居続けることでとられる反則です。
つまり、タックルした選手は、すぐに相手を離してその場からも退かなければなりません。
たとえ、ラックの中に埋もれて退けなかったとしても退こうとしてるよアピールをする必要があります。
オーバーザトップ(シーリングオフ)
ラグビーは倒れている選手はプレーに参加してはいけません。
ジャッカルもタックルも立った状態でする必要があります。
これはラックでボールの上、もしくはボールを越えて倒れ込むことで相手からボールを出させないようにするととられる反則です。
最近ではシーリングオフとも呼ばれるそうです。
コラプシング
これは、モールやスクラムを故意に崩したときにとられる反則です。
モールを押されているからといって止めるために故意に崩しては危険ですので、反則となります。
まだまだあるぞ!その他の反則
次はタックルやブレイクダウン以外での反則を紹介します。
オブストラクション
タックルにいこうとしているディフェンスを妨害するととられる反則です。
アメフトのクォーターバックを守るように相手を止めるプレーが、ラグビーでは反則となるんです。
アクシデンタルオフサイドとは違い、故意に行なったとして重い反則となります。
ただ正直、相手ディフェンスの邪魔をすると有利になりますよね。
そのため、レベルの高い試合ではオブストラクションになるかならないかというギリギリのところの駆け引きがあります。
強いチームはどんな反則に対しても、とられるかとられないかの線引きをきっちりと行ない、とられないギリギリのプレーを徹底することができます。
ノット10m(ペナルティのとき)
ペナルティをもらったときは10m下がらなければいけませんが、10m下がらずにプレーに参加したときにとられる反則です。
たとえば相手のディフェンスが乱れており速攻で仕掛けたいときにタップキックをしてすぐに始める場合がありますが、そのときに10m下がらずにボールを持った選手を止めにいってしまうとその位置から更に10m下げられてしまいます。
反則に反則を重ねるという心象としてはあまりよろしくない反則ですね。
アドバンテージ
ラグビーはボールを動かすことを良しとするスポーツです。
言い換えればプレーをなるべく止めたくない。
そのため、ディフェンス側に反則があったとしてもオフェンス側の攻撃が続くのなら、反則をとらずにそのままプレーを続行します。
これをアドバンテージといいます。
アドバンテージをもらったチームは、ミスをしてもその前のプレーに戻ってマイボールから再開できるため、思いきったプレーができます。
よく「アドバンでた!」という声が聞こえてきますが、これは「チャンスだから積極的に攻めよう」という意味合いがあります。
ただし、ずっとアドバンテージが続くわけではなく、何回か攻撃するか、もしくは相手陣にある程度攻めこんだら解消されます。
この辺りもレフリーによって変わってくる部分で、すぐに解消するレフリーもいれば、「なんかずっとアドバン出てるな」ってレフリーもいます。笑
以上、ラグビーの重い反則について解説しました。
2回に渡って反則について解説してきましたが、ここで紹介した他にも反則はあります。まだあるのかよ...って感じですよね。苦笑
そちらについても別の機会で解説したいと思います。
次回は、ラグビーのブレイクダウンについて解説したいと思います。
ラグビーの反則その1 ~軽い反則・重い反則ってなに?? ノックオンやオフサイドについて~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
この記事では、ラグビーの反則について解説します。
前回の記事はこちら↓
ラグビーの反則その2についてはこちら↓
ラグビーの反則その2 ~タックルや密集での様々なペナルティ~
ラグビーって反則がたくさんあり、それがゲームを複雑化させているんですよね。
ルールがわからない方からしたら「は??え??なに??」ってなると思います。
でも安心してください。
経験者でも試合を観てて「今の反則なに??」ってなることはいっぱいあります!笑
反則があった場合、レフリーがなんの反則かをジェスチャーで示してくれるのですが、それでもわからないときもあります。笑
それでは反則についてひとつずつ見ていきましょう。
反則のポイント
初めにラグビーの原則についていくつか説明いたします。この原則を破ったときに反則とみなされます。
・ボールを前に投げてはいけない
・ボールを前に落としてはいけない
・ボールをその場に故意に止めてはいけない
つまり、ボールを前に投げても落としてもいけないし、常に動かし続けなければいけないということです。
もちろんボールを持っていない選手へのタックルや殴る蹴るといった危険なプレーも反則です。というか、一発でレッドカードもあり得ます。
ちなみにラグビーでは、イエローカードで10分間の退場、レッドカードで試合終了まで退場となります。
試合を観ていると「シンビンだ!」って声が聞こえてくることがありますが、これはイエローカードのことを指します。
反則を繰り返したり悪質なプレーをした選手に送られる言葉と覚えておけば試合を観る楽しみが増えるかもしれませんね。笑
いや、本当はない方がいいんですけどね...(^^;
軽い反則
初めに軽い反則から説明します。
軽い反則を犯した際の再開は、スクラムもしくはフリーキックからとなりますが、フリーキックとなる反則は滅多に起きないため、軽い反則はスクラムから再開と覚えておけばOKです。
ノックオン
ボールを前に落とす反則です。
手や腕にボールが当たって前に落ちてもノックオンです。
これが一番多い反則で、試合でよく見かけることとなります。
特に雨の日は、ボールが手につかず威力倍増です。笑
スローフォワード
ボールを前に投げる反則です。
基本ライン攻撃するときはボールをフラット(平行)か後ろに投げるため、この反則をとられることはほとんどありません。
しかし、前があいていてパスをもらえればトライがとれるという状況だと、ついつい気持ちが前のめりになってしまいパスを出す選手よりも前に出てしまうことがあります。
そのため、ラストパスがつながればトライという場面で起きやすい反則でもあります。
もしそんなことになればスタジアム中から大きな「あぁ~~っ!!」というため息が漏れちゃいますね...苦笑
ちなみに、前に投げる・前に落とすというのは、自陣から相手陣に向かって、つまり攻撃方向に向かって前かどうかであり、自身の身体の向きは関係ありません。
アクシデンタルオフサイド
これはボールを持っている選手が自分より前にいる味方の選手に偶然ぶつかってしまう反則です。
相手をかわそうとステップを踏んだらその先に味方がいてぶつかっちゃった...ていうなんとも運の悪い反則です。
わざとじゃないので、軽い反則となります。
ノット10m(キックオフのとき)
キックオフで相手陣10mラインを越えなかったときの反則です。
センタースクラム(キックオフの位置)からの再開となります。
重い反則
重い反則を犯した際の再開は、全てペナルティキックとなります。
ペナルティキックでは、反則を犯した側は10m下がらなければいけません。
そして、ペナルティキックを得た側は以下の4つの選択肢から次のプレーを選ぶことができます。
1.ペナルティゴールを狙う
3.その場でマイボールスクラムから再開
4.その場でタップキック(ボールをちょん蹴りする。このとき一瞬でもボールから手を離さなくちゃいけない)して再開
それでは一番有名な反則を見てみましょう。
オフサイド
一番有名でありながら状況によって刻一刻と変わるため、理解するのに一番苦労する反則です。
基本的にオフサイドラインはゴールラインと平行にボールの位置にできます。
例えば、ノックオンは軽い反則でスクラムとなりますが、ノックオンしたボールをボールよりも前にいた選手が拾うとノックオンオフサイドとしてペナルティキックとなります。
他にもオフサイドラインは変わりますのでひとつずつ見ていきましょう。
・スクラム
スクラムの最後尾(基本的にNo.8の一番後ろの足)から5m下がった位置。
スクラムからボールが出れば解消です。
ボールを投げ入れる位置から10m下がった位置。
ラインアウトからボールが出るかラックやモールができれば解消です。
・キック
ボールを蹴った選手の位置。
ボールを蹴った選手よりも前にいる選手は全員オフサイドのためプレーに参加してはいけません。
ボールを蹴った選手もしくはそれより後ろにいた選手が前に出ることでオフサイドラインも上がっていきます。
これをオンサイドと呼び、オンサイドになればプレーに参加できます。
また、蹴ったボールが相手チームの選手に当たった場合はその場でオフサイド解消となり、プレーに参加してもOKです。
はい。ここまでは序の口で、次からが一番複雑です。笑
既になにがなにやらなのに...(^^; もう少しお付き合いください。笑
・モール(流れの中で相手と組み合って押し合うプレー。ボールは選手が持っている)
参加している一番最後尾の選手の後ろの足。
たとえボールが見えても横からとりに行ってはいけません。必ずうしろから参加しなければ反則です。
例外でモールができたばかり(1vs2とか2vs2とか)のときはオフサイドラインが曖昧でボールに絡んでも結構OKですし、うしろからモールを割っていって(相手を剥がしていって)ボールを奪うこともOKです。
また、モールが回ってきた場合も味方の後方からではなく相手に直接いってOKとなります。
しかし、この辺りはレフリーのさじ加減で変わったりするので注意されたらやめるのが一番です。注意されなければガンガンいきましょう!笑
・ラック(タックルが成立し、地面にあるボールを押し合って確保するプレー)
参加している一番最後尾の選手の後ろの足。
モールと同じくたとえボールが見えても横からとりに行ってはいけません。必ずうしろから参加しなければ反則です。
ただし、タックルが成立(ボールを持っている選手が倒れた)した瞬間はオフサイドラインはボールになるので、ボールのうしろからならボールをとりに行ってOKです。
また、ボールが相手の最後尾の選手の足から外に出た場合は、ラックが解消されたので、ラックの横からボールをとりにいってもOKです(オフサイドラインが味方最後尾の足からボールに変わるため)。
これもレフリーのお心ひとつによるので、試合中に確認する必要がありますが。笑
う~ん...…ですよね(^^;
「こりゃわからんわ」と。笑
最低限覚えていただきたいのは、
・ボールもしくはうしろ足がオフサイドライン
・蹴った位置がオフサイドライン
の2つです。
たったこれだけで観る分には問題ありません。
なら言うなよ...って思いますよね(^^;
はい、ちょっとハイになってました!笑
オフサイドがかなり長くなってしまった(笑)ので、残りの重い反則は明日解説します。
ラグビー日本代表に外国人選手が多いワケ
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
本記事では、先週発表されたラグビーワールドカップの日本代表に外国人選手が多い理由について解説します。
前回記事↓
ラグビー日本代表とは
文字通り、ラグビーの国際試合(テストマッチ)やワールドカップを闘うために選ばれた日本の代表です。
愛称はブレイブブロッサムズもしくはチェリーブロッサムズで、サクラのエンブレムを冠しています。
また、ラグビーでは、代表としてテストマッチに出場するとその証として「キャップ」が与えられます。
現在の世界最多キャップ保持者は、148キャップでニュージーランドオールブラックスのリッチー・マコウ選手です。
なお、フル代表のことを日本代表と呼び、それ以外にも日本代表の候補となる年齢制限のない日本A代表と年齢制限のあるU20(20歳以下)日本代表などがあります。
サッカーではA代表がフル代表ですが、ラグビーではA代表はフル代表への候補者となるんですね。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の日本代表31人
2019年8月29日、ついにラグビーワールドカップを闘う日本代表31人が選出されました。
選手名は日本ラグビーフットボール協会のHPに載っております↓
日本代表「ラグビーワールドカップ2019」最終登録メンバーのお知らせ|日本ラグビーフットボール協会|RUGBY:FOR ALL「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。
こう見てみると外国人選手(日本人選手以外)が多く入っていることがわかると思います。
日本国籍を取得した選手も含めて15人と半分を占めています。
これは一体なぜなのでしょうか??
こちらについて詳しく解説したいと思います。
日本代表に外国人選手が多いワケ
外国人選手が多いワケには、ラグビーの代表資格における独特のルールが影響しています。
そのルールとは以下3つになります。日本に当てはめて紹介しますね。
1.日本で生まれた
2.両親、祖父母の1人が日本で生まれている
3.日本に3年以上住んでいる(2020年12月31日からは5年以上に変更される)
上記のいずれかひとつでも満たしていれば日本代表になれるんです。
「えっ!? 国籍関係ないの??」と思われるでしょう。
関係ないんですっ!!
そのため、日本で3年以上プレーしている外国籍の選手も日本代表になれちゃうんですっ!
でもこれって日本が見習うべき慣習ですよね。
まさにダイバーシティ(多様性)です。
外国人比率50%の日本代表は、国籍主義よりも多様性というグローバル化の先駆けであり、日本の企業は見習ってほしいものです。笑
話がそれました...
なんでこんなルールになっているかというと、ラグビー発祥の地イギリスの当時の情勢に由来します。
当時のイギリスは大英帝国として世界中に植民地を持っており、その土地にイギリス人がラグビーを教えに渡ったりしてました。
しかし、ラグビーを教えるために渡ったイギリス人が代表として試合に出たいと思っても国籍で代表資格の選別がされては、その国で代表になることができません。
これでは誰もラグビーをひろめに国外へ渡ろうとは考えませんよね。
そのため、その先々の土地でも代表となれるように今のようなルールが生まれたとのことです。
ちなみに上記の資格を有していたとしても代表になれない人もいます。
それは、既に他の国で代表としての試合経験がある人です。
これはまぁ当たり前っちゃぁ当たり前ですよね。
それでもみんな日本のために闘っている
この日本代表に外国人選手が入るということに賛否両論あります。
一般的な「日本代表なんだから日本国籍の選手だけで闘うべきだ」という国籍主義的な主張もそうですが、もうひとつの理由。
それは日本代表が長い間勝てなかったということです。
「外国人選手を使っても勝てないなら日本人選手でいいじゃん」という意見。
正直、私も日本代表が勝てない時代は同じように思っていました。
みなさんはどうでしょうか??
賛成でしょうか??反対でしょうか??
私は、いまは 賛成 です。
それは強くなったということもありますが、彼らも本気で日本のために闘っているからです。
例えば、主将のリーチマイケル選手。
リポビタンDのCMに出ているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
実は高校生のときに彼のいる高校と試合をしたことがあるんです。
その頃は助っ人外国人としか思っていませんでしたが、いまや日本代表のキャプテンです。
CMにある通り、ラグビーを通じて日本に恩返ししたいという想いで頑張っています。
日本のために闘う彼らは、生まれや国籍は違えど紛れもない日本代表であると私は思います。
また、私個人としては、代表とは勝つことを目的に活動していく必要があると考えています。
それは、勝たなければ誰も興味をもってくれないからです。
ラグビーが日本でここまでとり上げられるようになったのも、前回のワールドカップで南アフリカという超強豪国に勝ったからなんです。
代表が強くないと誰も見向きもしてくれない。
日本代表が勝つことで日本でラグビーが盛り上がり発展していく。
だからこそ日本代表が勝つためなら外国人選手は必要だと思います。
それに触発されて代表を奪いとろうと日本人選手の能力も上がっていくと思いますしね。
そんなわけで、いまの日本代表は本当に強くなったと思います。
そんな日本代表と強豪国との試合が9月20日から始まります。
TV放映もするので、ぜひご覧ください!
以上、日本代表に外国人選手が多い理由について解説しました。
次回は、反則について解説したいと思います。
ラグビーのセットプレー ~スクラムやラインアウトとは~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
この記事では、ラグビーのセットプレーについて解説していきます。
前回の記事はこちら↓
セットプレーとは
セットプレーとは、止まったところから始めるプレーのことで、スクラムやラインアウト、キックオフのことを言います。
スクラムやラインアウトというセットプレーが安定していると、次の攻撃にスムースに移行できるため、一見地味ですが非常に大事な部分となります。
それではひとつずつ見ていきましょう。
スクラム
スクラムとは、フォワードが8vs8で組み合いボールを奪い合う試合の再開方法です。
ラグビーの試合の中で最も多く見られるセットプレーで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
スクラムで試合を再開することとなる主な要因としては、ノックオンやスローフォワードといった軽い反則を犯した、密集でボールが出ない場合、などが挙げられます。
反則については別途解説いたします。
なぜ、密集からボールが出ないとスクラムから再開となるのでしょうか。
それは、ラグビーは基本ボールを動かすスポーツで同じ場所にボールを止めておくことは許されません。しかし、密集など人が重なっている中にボールが入ってしまい動かすことができないとレフリーが判断した場合にスクラムから再開することとなります。
どちらのボールで再開になるのかは、
・ボールを持ち込んだのはどちらか
・密集で優勢なのはどちらか
でレフリーが判断します。
ほとんどはボールを持ち込んだ方が優勢(ボールを確保している)なので、ボールを持っていたチームのボールで再開されます(ボールボール言っていますがご容赦ください…笑)。
さて、それではスクラムの組み方を解説いたします。
スクラムはフロントロー同士が組み合います。両脇にプロップ、真ん中にフッカーですね。
ポジションの詳細についてはこちらの記事を参照ください↓
プロップとフッカーの間からロックが顔を出します。
ロックは、4番が1番と2番、5番が3番と2番のお尻を後ろから押していきます。
現役時代は、たま~に「そっち系なの??」と聞かれたりしましたが、そんなことはありませんっ!!怒
こっちは真剣にやっているんですっ!何を言っているんですか!…と。
今は笑って許せますが、現役の時はリアルにツラかったです…笑
さて、続きまして、ロックの両脇にフランカーがつきます。
フランカーもスクラムを押しますが、ボールが出た瞬間にボールを追いかけて、マイボールなら味方のサポートを、相手ボールならタックルをぶちかますので、プロップやロックほど押すのに全精力を振り切ってはいないです。
最後尾にNo.8がつきます。
No.8もフランカー同様に押しはしますが、フッカーから送られてくるボールをキープしたり、自らサイドを攻めたりしますので、ボールがスクラムに投入されてからはほとんど押さず次の行動に移っています。
スクラムは3段階のコールがあります。
クラウチ・バインド・セットです。
クラウチで身をかがめ、バインドで相手プロップの外側を掴み、セットのコールでフロントロー同士が組み合います。
このとき、3番の頭は相手の1番と2番の間に入ります。
昔は、クラウチ・タッチ・ホールド・エンゲージの4段階で、エンゲージの瞬間に思いっきりぶちかましにいっていたのですが、安全面から今のような3段階のコールで、勢いもつけられない方式となりました。
更に昔では、組み合った瞬間に衝撃であばらが折れたなんてこともありました。
とんでもないですね(^^; そりゃ安全サイドに寄っていきますよ。
セットのコールで組み合ったら、スクラムハーフがスクラム中央にボールを投入します(このとき、斜めや味方に近い方から入れると反則となります)。
ボールが投入されたらフッカーが足でボールをかき、後方へ送ります。
このとき相手側フッカーも足を出してボールを奪うことができますし、スクラムを押し込むことでボールを奪取することもできます。
マイボールのスクラムだからといって必ずボールを確保できるとは限らず、スクラムで劣勢だとボールを奪われディフェンスばかりという苦しい戦いを強いられてしまいます。
ラインアウト
ラインアウトは、ボールがタッチラインの外に出た場合に、外からボールを投げ入れる再開の方法です。
イメージとしては、サッカーのスローインですかね。
ただ、スローインはどこに投げてもいいですが、ラインアウトは出たところからタッチラインに直角に投げ入れないといけません。
また、タッチラインから5mのところに引かれている5mラインを越えて投げ入れないといけません。
さて、それではラインアウトのやり方を見ていきましょう。
まずボールを投げ入れるスローワー(主にフッカーが担当)がタッチライン上にいます。ここでディフェンス側は、タッチラインと5mラインの間に1人選手を配置します。
そして、5mラインから15mラインの間に選手を配置します。これはオフェンス側が相手チームに人数を申告し、ディフェンス側は人数を合わせないといけません。
だいたい1チーム4名~7名が並ぶイメージです。
そのラインから5m下がった位置にレシーバーを置きます。チームでどのようなサインプレーをするかにもよりますが、この位置にスクラムハーフを置く場合が多いです。
オフェンス側は、あらかじめチーム内で決めたサインプレーに従い、スローワーがボールを投げ入れ、リフター(ジャンパーを持ち上げる人、主にプロップが担当)がジャンパー(リフターに持ち上げられジャンプし、ボールを確保する人、主にロックが担当)を持ち上げてジャンパーが投げ入れられたボールをとります。
このとき、ディフェンス側もボールを奪取するべくジャンパーがプレッシャーをかけてきますので、空中でボールのとり合いとなります。
そのため、相手にどこに投げるか読まれないことや、せり合いになった場合に当たり負けない体幹が重要となってきます。
しかし、ボールに働きかけるのはOKですが、相手選手を引っ張ったり、落とそうとしたりと危険なプレーは反則となります。
ラインアウトが空中戦と呼ばれるのは、ジャンパー同士が激しくボールを奪い合うためです。
キックオフ
キックオフは、試合開始のときと得点が入り試合を再開するときにセンターラインからドロップキック(ボールをワンバウンドさせてから蹴る方法)で行ないます。
蹴ったボールは、相手10mラインを越えないとセンターライン中央から相手ボールのスクラムとなります。
そのため、戦略としては、相手陣の奥に蹴り込んで陣地をかせぐか、10mラインを少し越えたあたりに高く蹴り、ボールをとりに行くかのどちらかとなります。
空中のボールに強く背の高い選手がいれば、ボールをとりに行く、とれなくても相手にプレッシャーをかけミスを誘うといった戦略が有効になってきます。
キックオフは、点をとられた後のリスタートですから、なんとかしてマイボールにするか、陣地をかせぐかの大事なセットプレーです。
逆にここでミスをしてしまうと流れが一気に相手にいってしまう危険性もあります。
以上、セットプレーの解説となります。
どれも地味ぃ~なプレイですが、試合の流れを左右するほどの大事なプレーであり、セットプレーが安定しているチームは強いです。
そのあたりも頭の片隅にでも入れて観戦していただければまた違った楽しさがあるかと思います。
先日、ラグビーワールドカップの日本代表が選出されましたので、次回はそちらについて記事を書きたいと思います。
個性豊かなポジション紹介 ~違いと主な役割~
こんにちは、天です。
ブログを読んでくださりありがとうございます。
この記事では、ラグビーのポジションについて解説していきます。
ラグビーの基本的なルールについてはこちら↓
個性豊かなラグビーのポジション
前回、ラグビーは、15人vs15人で闘うスポーツと説明しました。
そして、その15人の中でそれぞれポジションが決まっており、1~8番をFW(フォワード)、9~15番をBK(バックス)と呼ぶこともお伝えしました。
ここではFW、BKそれぞれについて詳しく説明していきます。
背番号と位置は下図のようになります。
フォワード(FW)
まずはフォワードからです。
フォワードは8人から構成されており、1~3番までをフロントロー、4,5番をセカンドロー6~8番の後ろ3人をバックロー(またはサードロー)と呼びます。
ざっくりとした違いは、
フロントローとセカンドローは、身体が大きく常に身体を張り続ける縁の下の力持ちです。
彼らなくしてセットプレーのスクラムやラインアウトを安定させることはできません。
セットプレーについてはこちらの記事を参照ください↓
あとは最前線で身体を張るからなのかコワモテが多い印象です。笑(ただ優しい人が多いですよ)
バックローは、常に走り回りボールへ絡んでいくポジションです。
バックスのラインに入り攻撃に参加することもあるので、体力があり、器用な選手がこのポジションについたりします。
あと顔を切ったりしててコワモテ感が出ている選手が多いです。笑
コワモテばっか…笑
それでは、ひとつずつポジションを見ていきましょう。
プロップ(PR)
1番と3番です。スクラムの最前線で相手と組み合うポジションです。
体重が重く大柄な選手が多くスクラムの中で相手の首を取り合うので、首がとんでもなく強いです!鍛えすぎて首がない??選手も。
1番はスクラムの左側で組むため、片方の肩のみで組むこととなります。相手の3番が押し込んでくるのを押し返すパワーが必要です。
3番はスクラムの右側、両肩で組むことになります。スクラムは3番に体重をのせるように組むため、全体重を受け止め、相手を押すタフさが求められます。
フッカー(HO)
プロップと同じく屈強な選手が多く、スクラムで相手を押し込みながら、スクラムハーフが投入したボールを足で引っかけて自陣後方に送り込む役割も担います。
そのため、ボールの扱いやパスの上手さ等の器用さが求められます。
ロック(LO)
4番と5番です。真ん中に位置し、プロップ、フッカーと一緒にスクラムを押す役割を担います。
また、ラインアウト(タッチラインからボールを投げ入れて試合を再開するセットプレー)の時に空中でボールを奪い合う役割を担うことが多いことから、チームで最も背の高い選手がこのポジションにつく傾向があります。
ツインタワーなんて呼ばれたりしますね。笑
長い、そして太い腕で相手を薙ぎ倒す姿は圧巻ですよ!
フランカー(FL)
6番と7番です。チームで最も走るポジションで、スクラムではロックの両脇につきます。
世界的に有名なリッチー・マコウという選手がこのポジションで、「ボールあるところにマコウあり」と称されるほどの高い運動量を誇ります。
この言葉からもわかる通り、フランカーは常にボールを追いかけ、オフェンスではブレイクダウン(ボールを持っている選手にタックルし、密集ができているポイント)で相手を押し返し味方をサポート、
ディフェンスでは相手にタックルをぶちかましボールを奪うといった、攻守で非常に高い身体能力が求められます。
スクラムでは6番をブラインドサイドフランカー(タッチラインに近い側)、7番をオープンサイドフランカー(タッチラインから遠い側)としてつく形が見られます。
単純に左右でつく場合もありますが。
ちなみにリッチー・マコウは世界最高のオープンサイドフランカーです(でした)。
ナンバーエイト(No.8)
背番号が名前になっている唯一のポジションです。
唯一無二であるため、チームで一番身体能力が高いスーパーマンがこのポジションを担うことが多いです。
スクラムでは最後尾に位置し、前方から送られてくるボールをキープしたり、自ら持ってサイドを力づくで突破したりと器用さとパワーが求められます。
フォワードのリーダー的存在であり、フィールドを自由に走り回ります。
ちなみに私は、現役時代はロック、フランカー、No.8をやっておりました。
3つのポジションを経験しましたが、その中でも一番ロックがしっくりきたかなぁと。
コワモテが多い中、私はラグビーやってると言うと「その顔で!?」とびっくりされるぐらいの童顔みたいです。笑
別に顔は関係ないと思うんだけど…(^^;
…さて、気をとり直して次はバックスです。
バックス(BK)
バックスは7人から構成されており、9,10番をハーフバック、11~14番をスリークォーターバック、15番をフルバックと呼びます。
ざっくりとした違いは、
ハーフバックは、フォワードからバックスにボールを供給するスクラムハーフと試合の流れを決めるスタンドオフからなります。
彼らによって攻撃のテンポや試合の展開が決まるといっても過言ではない重要なポジションです。
スリークォーターバックは、センターとウイングからなり、トップスピードで相手にぶちかましたり、ステップで抜き去りトライをとったりと、足の速い選手や当たりの強い選手が担います。
フルバックは最後の砦です。
一番後ろに位置し、試合の状況から味方に指示したり攻撃に参加したり、突破してきた相手を止めたりと、重要なポジションです。
私は勝手に第2の司令塔と思ってます。
あんまり言うとあとで言うことなくなっちゃうんでこの辺で。笑
それでは、ひとつずつ見ていきましょう!
スクラムハーフ(SH)
9番です。スクラムやモール、ラックと呼ばれる密集地帯(ブレイクダウンとも言います)でボールをバックスに供給するのが主な役割です。
ただボールを回すだけ??と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
スクラムハーフは常に相手フォワードからのプレッシャーにさらされるポジションでパスしたと同時にタックルされるなんてこともしばしば。
そのため、高度なパススキルや敏捷性、瞬時の状況判断力が求められます。
また主に小柄な選手が担うことが多いのにもかかわらず密集にいるため、相手フォワードの突破を防がなくてはならないというタフさも要求されます。
スタンドオフ(SO)
10番でチームの司令塔です。
バックスで一番最初にパスを受けとるため、パス、キック、ランと様々なプレーを選択でき、攻撃の起点となります。
パス、キック、ラン共に高い技術と試合を読む戦略眼、瞬時の状況判断力が求められます。
チームで一番キックの上手い選手が主に担い、以前の記事で説明したコンバージョンキックやペナルティキック、ドロップキックを蹴ることが多いポジションです。
キックに関してはこちらの記事で紹介しております。
楕円球の本領発揮 キック ~陣地争奪戦からスピード勝負まで~
日本では圧倒的にスタンドオフという呼び名が浸透しておりますが、国際的にはフライハーフ(FH)と呼ばれることが多いです。
センター(CTB)
12番と13番です。前から3/4(スリークォーター)番目に位置するため、正確にはセンタースリークォーターバックと呼ばれます。
スクラムからのセットプレーでは、主にスタンドオフからパスを受けて第一陣の攻撃として自ら突っ込むことが多く、身体の強い選手が担います。
また、ウイングへパスを繋いだり、裏にキックをしたりと身体能力に加えてパスやキックの技術力も必要です。
12番をインサイドセンター、13番をアウトサイドセンターと呼ぶこともあります。
チームによっては、10番と並んで12番に器用な選手を司令塔として配置し、13番にスピードとパワーを兼ね備えたデストロイヤーを置いたりします。
いずれにせよオフェンス、ディフェンス共にバックスの中でも最も相手とぶつかるポジションで、屈強な肉体が必須となります。
ウイング(WTB)
11番と14番です。センターと同じく前から3/4(スリークォーター)番目に位置するため、正確にはウイングスリークォーターバックと呼ばれます。
ウイングはフィールドの大外に位置し、文字通りチームの両翼になります。
主な仕事は巧みなステップで相手をかわし、その自慢のスピードで相手を置き去りにしてトライをとることです。
ラグビーの花形的ポジションであり、その走りは一番目を引くのではないでしょうか。
最近では、このポジションにフォワードと見紛うほどの大柄な選手がいることも珍しくありません。ライン際を豪快に走りながら止めにくる相手を弾き飛ばす様は圧巻です。
また、ディフェンスの時は相手のキックをしっかりと処理し、蹴り返して陣地をとり返すこともあるため、ロングキックやハイパント(上空高くに蹴り上げるキック)の精度も求められます。
フルバック(FB)
チームの最後尾に位置し、味方のバックスに指示を送るポジションです。
ときには攻撃に参加し、味方のディフェンスが突破された際には、最後の砦として身体を張って相手を止めるため、スピードと強靭な肉体が求められます。
センターの裏からトップスピードで攻撃に参加する姿は、ディフェンス側からしたら嫌で仕方ありません(^^;
また、ラグビーはキックで陣地をとりにいくため、蹴り合いになる場面が多々ありますが、そのときにキーとなるのが、最後尾に構えるフルバックです。
キックの応酬となったときに蹴り負けないキック力と狙った位置にボールを落とすテクニックが必須となります。
まさに最後の砦です。
以上、ラグビーのポジションについて解説しました。
次回は、セットプレーについて解説したいと思います。